The Corporation 映画を観てきました

The Corporation 『ザ・コーポレーション』

先の日記でも紹介しましたドキュメンタリー映画『ザ・コーポレーション』を観ました。その名の通り、企業のことを題材にした映画。でも、ただの映画ではありません。企業が悪いのか、企業で働く人が悪いのか?企業は人間のように、精神的な病気になるのか?そんな診断をしながら考えさせる映画です。


そう、功利主義が当然だと思い込むと、お金が命になるのです。この映画は、ボリビアで、水の私営化に反対して、民衆が立ち上がるエピソード、ホンジュラスで、例えばアメリカの服を縫製する子ども達。アメリカ企業の富のために、奴隷のように低賃金で働かされる子ども。化学物質で牛の成長を促し、より多くのミルクをださせて、牛の健康や消費者の健康を無視した企業。そして、それを告発しようとしたテレビ番組のディレクターが、圧力で辞めさせられたエピソード(まるでどっかの国営放送)。あらゆるケースがあらわれます。


とにかく、世界では知らない間に、数パーセントの億万長者のために、何億人もの人が犠牲を強いられる。


「だって、資本主義だもん。お金をもうけて、どこが悪いの?」


そういう素朴な疑問を、若い人でも平気で聞いてくる。「企業は、功利主義だから、効率や生産性が悪い人より、いい人をとるのは当然。だから、女は非効率的だ。同じ仕事をさせるなら、低賃金の国を選ぶ。貧しい国の人間を時給3セントで雇って、どこが悪い。むしろ感謝してほしいもんだね」


こんな考え方が、自分の首を絞めているとは、普段は気付かない。でも、そろそろパラダイム変換をすべきときだ。


環境を考慮したものづくり、雇用の生産と最低労働条件の遵守、消費主義より消費者主義。これを観た人は、今までの生活に、少し疑問を持つはずだ。


マイケル・ムーアがナイキの社長に問う。「あなたは何億稼げば気が済むのか?」ナイキに限らず、ブランド品を買うとき、生産地をチェックしてみよう。数パーセントの億万長者の資産を増やすために、極貧生活状態のままにさせられる人たちのことが、透けて見えてくるだろう。


「世界を平和にしたいなら、不公平をなくすのがいい」「富むものは、富を分配しよう」(世界銀行報告 フランシスコ・フェレイラ)