火事だ!避難しろ!

火事だ!避難しろ!


ロンドンールートン空港での出来事である。ロンドンには3つ大きな空港があるのだが、ヨーロッパ線は、ヒースロー以外にもルートン、ガトウィック空港にも飛行機が発着する。そのルートンで、vengavaleは、マドリッドからの超格安飛行機イージージェットなるものでロンドン入りした。


お昼だったので、英国のスターバックス的なコーヒーショップ「コスタ」でカフェとサンドイッチ、チョコツイストを食べていた。すると、いきなりサイレンが!

ぴろ〜ぴろ〜


「空港にいる人は、すみやかにその場から立ち去り、空港を出てください!」(言語は英語)


な、なに〜!?まだ食べ終わっていないのに〜!!どうやら緊急事態で、全員避難しなければいけないらしい。同じマドリッド便に乗ってきたスペイン人は、英語がわからず、立ち往生。


思い荷物をずるずるひきずり、しかも雨が降っている外へ出たら、避難してきた沢山の乗客でごったがえし。係員は「ムーブ!ムーブ!」と、盛んに叫ぶ。しばらくして、消防車が到着。スタッフがなぜか、ビデオカメラで様子を録画中。


でも、何も煙も見えないし、爆発物を仕掛けられたと思っても、こんな田舎の空港を吹き飛ばすメリットはない。30分もすると、「間違えでした〜。もう戻ってもいいです〜」という。結局、アラームだけが作動。何事もなかった。


カフェに戻ってみると、店員が我らの飲みかけ、食べかけを片付けようとしていた。すかさず、「まだ飲み終わっていないので、テイクアウェーしたいんだけど」というと、飲みかけを紙カップに移してくれた。店員に、何事があったのか聞いたら「年に2回くらい、こういうことが起こるの。小さな煙でも、アラームが作動して、万一に備えて、従業員もみな避難しなきゃいけないの。理解してね」とすまなそうに言う。「いいですよお。いい経験でしたよー」とナイスに言うと、「あ、ちょこツイストは?食べ終わっていないでしょ?」と聞いてくれた。実は半分残っていたが、もう片付けられた途中だった。


「食べ終わっていないけど、もう片付けられちゃったし、いいよ」と言うと、「新しいのをあげるわ」と店員が新しいチョコツイストを紙袋に包んでくれた。


避難騒ぎで小1時間損してしまったが、英国人の親切に触れた一日であった。