Marioレポート5

vengavale2005-08-11



2.トーニャ (その2)

 実はその頃、孤児院のシスターたちの間では、彼女を専門の施設へ移すという話が持ち上がっていました。中米で生まれ育ったシスターたちには、障害を持った人に対峙するために必要な知識は、先進国ほどには与えられていないのです。

 ホンデュラスという国の現実から、それがどんな場所かおおよそ想像が出来たので、私としてはトーニャが自分で自分の生活をある程度保つことが出来るということを証明したかったのです。おそらく彼女にとって、その方が幸せだろうと考えていたからです。帰国が迫った頃に、これらの事を全てトーニャに話し、努力を続ける様に諭しましたが、理解は出来ないようでした。

 私としては、3ヶ月という短い時間の中で、彼女に対して自分なりに出来る限りのことをしてみました。別れ際に、彼女に私の着ていたTシャツと、勉強用の新しいノートをプレゼントしました。彼女は大変な喜びようでした。

 出来ればもう一度、彼女とこの孤児院で会いたいと思っています。

[写真は、孤児院の子供達。左からルディン(6)、サントス(9)、ガビー(6)。ガビーの父は行方不明。母は養育できないでいる。]