閑話休題:Marioレポート16 スペイン語の詩

スペイン語のひとつの詩を見付けました。作者はアルフレド・エスピノというエ
ル・サルバドルの詩人です。大地主や企業に搾取される貧しい農民の詩です。そ
して中米の貧困層の人達の心情が映し出されています。ホンデュラスにいるころ
、いつも腰にサトウキビを刈り取る刀をさげて、カウボーイの様な白い皮帽子を
被った貧しい身なりで、教会の中に額づいている彼らの姿を見ていました。彼ら
の話すスペイン語はひどく訛っていて、ほとんど聞き取ることは出来ませんでし
た。それを思い出して、方言で訳してみました。
表には出て来ない、中米の悲しみのひとつです。


―小屋っ子と星っ子ー

ある日ーあぁありがたや!―あんたオラさ「好いと」言うてくれて
したらオラ、小屋っ子建てるでね
あんたと二人、暮らすでね

あとはなんもいらんでね
あんたの心とオラの小屋っ子、木さ一本に犬っ子一匹
それにホレ、この青空とこの丘、めんこい花っ子、コーヒー畑…

にわとりっ子のにおいと山鳥っ子の歌、小川っ子にはホレ、小鳥っ子らと茂みっ子さ、キラキラ映って光っとるがね

そんな暮らしさしたいがね
そんな暮らしさ好いとね
してども俺ら文無しには
そんなもん、なんもなかとね…

ほんにそれだけ、それだけでよか
オラの恋歌とあんたの口づけ
あとはなんもいらんがね…

だってあんた、山っ子と小屋っ子と星っ子と
「あんたさ好いと」言う声と
花っ子咲いた小道さあれば
あとはなんもいらんでね…

―アルフレド・エスピノ「悲しみの器」より―まりお訳

[オリジナル]
UN RANCHO Y UN LUCERO

Un dia―!primero Dios!―has de quererme un poquito.
Yo levantare el ranchito en que vivamos los dos.

?Que mas pedir? Con tu amor, mi rancho, un arbol, un perro, y enfrente el
cielo y el cerro y el cafetalito en flor

Y entre aroma de saucos, un zenzontle que cantara y una poza que copiara
pajaritos y bejucos.

Lo que los pobres queremos, lo que los pobres amamos, eso que tanto
adoramos porque es lo que no tenemos

Con solo eso vida mia; con solo eso: con mi verso, con tu beso, lo demas
nos sobraria

Porque no hay nada mejor que un monte, un rancho, un lucero, cuando se
tiene un "te quiero" y huele a sendas en flor

―Alfred Espino "JICARAS TRISTES"