フランダースの犬


フランダースの犬」といえば、涙なくしては語れない、ネロとパトラッシュの物語。カルピス子ども劇場の中でも名作中の名作です。


そのフランダースフランドル地方)、アントワープへやってきました。アントワープへは、これまたブリュッセルから列車で40分くらい。駅前にはダイヤモンド屋が並んでいます。そう、ここはダイヤモンド商の中継地。ベルギー人は、「フランダースの犬」の場所とは、全然知らないのです。


駅からすこし離れたところに、この街の観光名所ノートルダム寺院教会があります。ここで、ネロはルーベンスの三枚の絵を見て、天に召されました。ルーベンスの三枚の絵とは、マリアの妊娠、誕生、磔の3つの場面が描かれた絵です。光と影の用法をふんだんにつかった、迫力のある絵。見ていると、ほんとうに吸い込まれてしまいそうです。ネロも最後にこの絵を見て、神の元へ旅立ったという、キリスト教的には正しい物語です。


でも、「フランダースの犬」は英国人が書いて、ベルギー人で出版されたのは、最近になってから。日本人観光客が、「ネロ」の家はどこ?などと次々と聞いてくるので、その本と日本のアニメの存在がクローズアップしたらしいです。今では、ノートルダム寺院の説明書きに、「ネロとパトラッシュの物語」として、英、仏、西、フラマン、日本語で書かれてあります。


ネロの家は、ホーボーケンという、プレメトロ(地下を走る路面電車)の終点にあったらしく、今はそこには銅像がたっています。わざわざ見に行った友人によると、「小さすぎて、つまづきそうになった」というくらい、あれれ?という感じなものなので、見に行く価値は疑問です。


vengavaleは、「フランダースの犬」の舞台はオランダだと思っていました。オープニングに出てくる風車とアロアの民族衣装が、そう印象づけたのでしょう。いや、オランダが近いので、無理もありませんが。


ということで、ノートルダム寺院ルーベンスの3枚の絵(実は2つある)を見て、ネロになりきりましょう。