こんにちは。ドラゴンです。


またまたガウディです。「もう飽きた」なんて言わないでください。ガウディの傑作のひとつ、グエル別邸(Finca Guell)です。


バルセロナには、ドラゴンのモチーフが多いのですが、ガウディのドラゴンは、中国から影響を受けているそうです。バルセロナには「聖メルセの祭典」というのがあり、カテドラル(教会)の周りを、竜が口から花火を吐きながら歩くのが、伝統だとか。それと似たようなお祭りが、中国にもあり、ガウディは友人からその中国のドラゴンのお祭りの写真を見せられて、「あ、似てる!」と即時にインスピレーションを受けたのだそう。


でも、このドラゴン、キリスト教では、悪魔の象徴。日本にも、竜を倒して英雄になるお話があるように、ドラゴンは悪なのです。でも、カタルーニャでは、ドラゴンは神だったそうです。


そして、ドラゴン好きのガウディ、グエルの別邸の入り口の門に、このドラゴンをデザインしてしまいます。当然悪のドラゴンをなぜ玄関に?と思うでしょう。でも、ガウディは、「このドラゴンはギリシャ神話のドラゴンだよ」と言って、ドラゴンを積極的に使ったのです。


ギリシャ神話のドラゴンは、ヘスペリデスといい、女神ヘラの命令で、黄金のりんごを守ったいいドラゴンなのです。つまり、守り神として、入り口に置いたのですな。


加えて、このドラゴンは、中国に影響受けているので、たてがみと足が4本。西洋のドラゴンには、4本足トカゲ型と、「シュレック」などに出てきた2本足+翼2つの鳥型があるそうですが、常に悪役。中国でも、幸せをもたらすと考えられているので、中国型にしたそうです。


でも、見てみると、やはり


えりまきとかげ?


ガウディさん、ごめんなさい。

(参考文献:『ガウディの生涯』北川圭子 朝日文庫