集合住宅⇒公園

bench



グエル邸、グエル別邸と、ガウディに家の設計を依頼したグエル氏。最後に集合住宅を作るように依頼します。それが、現在の「グエル公園」。


ほえ?なんで住宅なのに、公園に??


そう、もともと住宅地として計画されていたこの土地は、資金などの問題で、やむなく住宅建設自体を中止。なんせ、ここ、高い丘の上なのだ。景観はすばらしいが、通勤には、ひどく不便なところだったのだ。


今、この場所は、もともとの公共広場や散歩道などを残す形で、公園になっているが、面白いのは公園全体がアートになっていること。ガウディは「自然に直線は存在しない」というゲーテに影響されて、直線はまったく使わなかった。だから、ガウディの作品はすべて、ぐねぐね曲がっているのだ。


ここも、ハンパでなく曲がりくねっている。この土地からでたもので作ろうというコンセプトだったらしく、この土地の色、赤褐色の柱や、廊下、壁がそこかしこにある。ベンチもぐねぐね曲がって、まるで竜の背骨のよう。これはタイルを砕いて、ひとつひとつ貼っていったものらしい。気の遠くなる作業だ。


有名なイグアナの像もある。そして、ライオンの顔のついた天井や、お菓子の家のような家(一つはギフトショップ)、そして、やはりシュロの木をモチーフにした門、などまるで「屋外遊園地的美術館」(Open air amusument park and museumとでも名づけられようか)なのだ。それに、世界遺産なのだ。


ここへ行くには、地下鉄よりもバスが便利。地下鉄だと、長い上り坂を歩いていかなくてはならない。でも、市内から行くには、バス24番が、カタルーニャ広場から15-20分おきにでている。グエル公園で下車すると、少し歩くと公園の上のほうの入り口に着く。


帰りは、大通りまでの道を歩くといい。基本的には住宅街なのだが、小さなお店がお土産を売っている。下り坂なので、楽ちんだし。大通りまででたら、バスでまた戻れる。地下鉄も、大通りに面している。


vengavaleは後から知ったのだが、ガウディは、ここに「ゲッセマネの丘」(キリストが磔(はりつけ)にされた丘)を再現したところを作ったらしい。3つの十字架が、どこかにあるらしかったのだが、その時は知らなかったので探さなかった。次回訪れたら、探索してみようと思うのであった。