小さな美術館ーラサロ・ガルディアーノ美術館
マドリッドといえば、プラド美術館、ソフィア王妃美術館、など大きな美術館を思い浮かべますが、小さな美術館もたくさんあります。
今回vengavaleは、セラーノ通りにあるラサロ・ガルディアーノ美術館へ行ってきました。ここは雑誌「GOYA」を編集・出版しているところでもあり、図書館もあり、芸術関係の知的空間です。
ゴヤという雑誌を出しているくらい、ここはゴヤの絵が有名。というのは、ガルディアーノというお金持ちが、ゴヤがお気に入りで、美術品を沢山集めていたそうな。エル・グレコやダ・ヴィンチの絵もあったりして、かなり趣味はよかったらしい。
この美術館、5階建てのうち、4階までがディスプレイの場になっているが、もともと彼のお屋敷だった。展示の説明とともに、「このお部屋は元食堂でした・・」などの説明もあるので、人のうちにお邪魔させてもらっているような感覚で、楽しめる。それにしても、こんな大きなお屋敷に住んでいた人たちって、どういう感じの人だったのだろうか?
そんな思いを抱きつつ、1階は中世の宗教画、銀などの装飾品の展示が続く。2階になると、17-19世紀の絵画となり、ここに有名な絵画が集まっている。
その中で、この美術館の目玉ともいうべきゴヤの魔女の絵が2つある。思ったより小さくてびっくりしたが、この絵よく見ると非常にグロテスク。
魔女はもともと老女の姿をした悪魔の使い。嬰児を好み、子供をさらっては、かまゆでにしたり、そのまま食べたりする。そういえば、ゴヤの子供を食らう悪魔の絵がプラド美術館にもあったっけ。。。
そんなグロい魔女の絵だが、なんと貴族の間では18世紀ごろ魔女の絵を収集することが流行ったそうな。意外と縁起のいいことだったようだ。たぶん、神秘主義と通じるものがあって、貴族の高尚な嗜好として受け止められたのだと思う。
4階には、食器、馬具、タペストリー、武器などの展示があり、マニアにはウケそう。非常に落ち着ける雰囲気の美術館。館内には順路が蛇腹になっていて、とても周りやすい。ただ、ベンチなどがないので、全部見ようと思うと疲れてしまうかも。でも何度行ってもいい感じの美術館だった。
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