ロマンティック街道の旅15-ルードヴィッヒの城4<リンダーホーフ城>

vengavale2007-10-11


さて、ノイシュバンシュタイン城のツアーを満喫した後は、マリオン橋に向かい、城の写真をビシバシ撮りました。ここはいいハイキングコースでもあるらしく、杖やバックパックを抱えた登山客が、橋の先の山の上を登っていきます。普通のスタイルでも、ヒールの靴でなければ、楽に登れるので、是非トライしてみては?橋から見た城より、もう一段高いところから、城が見えます。ここでお城を見ながら、ランチやスナックを食べるというのも、気持ちいいでしょう。ただし、冬はだめですが。

そして、ルードヴィッヒが長く暮らしていたという、リンダーホーフ城へ。車で30分くらいかかりますが、こじんまりして、面白い城です。ここもツアー(ただし英語、ドイツ語)がありますが、オーディオガイドでなく、実際のガイドさんが話しながら案内してくれる古典的なものです。(英語・ドイツ語をわからない人には、紙のガイドを貸してくれるようです)。

ここは、はっきり言って、前の2つのお城より、細工が面白いのです。まず、玄関を入ると、太陽王ルイ4世の彫像が。そして、天井には太陽をおもわせる装飾が、大きく描かれています。実は、ルードヴィッヒは、ルイ14世を崇拝していたらしく、この城は、かの王のヴェルサイユ宮殿をイメージした、ロココ調の城なのです。

そして、次に魔法の食卓。一見普通の食卓ですが、床ごとテーブルが沈むようになっていて、地下の台所とつながっていたのです。ルードヴィッヒは、人に会いたくないために、食事をこのテーブルに並べさせて、部屋へと持ち上げさせ、食べ終わったら、そのまま下ろさせるという、実に歌舞伎の舞台も真っ青な装置を作っていたのです。いやあー、人嫌いも此処まできたら、いっそすがすがしいです。

そして、ヴィーナスの洞窟。一瞬のうちにおわってしまいますが、城の中に洞窟があるなんて、なんだか遊園地に来た気分です。これはワーグナーの「タンホイザー」の場面を再現したものだとか。

それから、各部屋のジャンクションには、ルイ14世の愛人、当時の貴族、執政の肖像画が飾ってあります。ここまで来るとフランスフェチと呼んでもいいでしょう。

極めつけは、鏡の間。大きな鏡張りの部屋の真ん中に立ってみると、左右のロココ調の黄金の彫刻が、多層的に反映され、まるでラビリンスに入ったかのようです。こんなところにいると、頭がクラクラしそうですが、ルードヴィッヒはかなりのお気に入りだったとか。もう、そっちの世界へイッてしまったのでしょうね。

ツアーが終わると、お庭に出られ、裏の噴水の前に着きます。その後、さらに上の方へ散歩することも可能。時間が有る人は、ゆっくりと周遊するといいでしょう。その後、チケット売り場の方へ行く道につながります。

お土産屋さんもこじんまりしていて、人もあまりいないので、vengavaleはエーデルワイスのブローチを買いました。バイエルン公の紋章にも使われています。

しかし、こうして城を巡っていると、ルードヴィッヒのナルシスティックな性格がうかがえます。でも、きっと寂しい人だったんだろうと思います。若い頃の絵のルードヴィッヒ(少年)は美しいですが、大人になると、ちょっと小太りなので、あまり見たくありません。でも、お城の中にいたら、ああなってしまうのでしょうね。

こうして、vengavaleのルードヴィッヒの城巡りは終わりをつげました。