漁師婦人会レストラン

vengavale2008-03-25


今回オンダリビアに再び訪れた理由の一つが、このレストラン。 日本語にすると、『漁師の婦人愛』というような意味です。その名の通り、シェフ、従業員ともに女性ばかりのレストランで、とにかく絶品なのです。

まずは、バスク名物、チコリで乾杯。 チコリを頼むと、ここではお通しにコロッケがついてきました。

そして、vengavaleは前菜にソパ・デ・マリスコ(シーフードスープ)を注文
。この日は少し冷えたので、あったまりました。このオレンジの色はどうやって出すのだろうと思っていたら、サフランを使うらしいです。

そして、メインはアサリの蒸し焼き。少量でしたが、このくらいで十分でした。いつもはデザートに行き着けずに、おなか一杯で辛い思いをするvengavaleですが、少量のメインだったので、お目当てのデザートにたどり着けました。それがこのプリン。 このプリンには思い出があります。以前、この街を訪れたときのこと。朝早い便で着いたので、街をぶらぶらしていると、このレストランの窓からランチの下ごしらえをしている女性の姿が見えました。

日本語で友人達と、「あ、プリン作ってる〜。美味しそう〜!」
などと話していると、そのおばさんはニコっと笑いこちらをみます。
「オラー!(こんにちは)」と挨拶して、私たちはその場をあとにしました。

歩いていると、後ろからさっきのおばさんが私たちの方へ急ぎ足でやってきます。

「・・・・・・・・・・・」
なにやらタオルを巻いた手に、何かをもっていて、私たちにすすめてくれます。その頃スペイン語があまりわからなかったので、彼女が何を言っていたかは不明なのですが、どうやら私たちに、先ほどのプリンの出来立てホヤホヤを持ってきてくれたのです。しかも、人数分のスプーンを持って!

「グラシアス!(ありがとう)」といって、受け取り、その場でアツアツプリンをみんなで食べました。その美味しかったこと!!!

プリンも美味しかったのですが、ただ窓から覗いていた怪しい日本人に、走ってまでプリンを持ってきてくれる、その優しさに触れ、もうこのレストランのとりこになりました。あとから知ったのですが、そのおばさんは、このレストランのオーナーだったのでした。

そんな思い出のプリンを4年ぶりに食べることができました。ああ、あのおばさんの優しさがよみがえる〜。

残念ながら、あのおばさんは厨房に入っているらしく、フロアで会えなかったので何も言わずにレストランをあとにしてしまったのですが、なにかふるさとに帰ってきたような、そんな気分にさせてくれたレストランでした。

美味しかった。