オンダリビア

スペインのバスク地方の小さな町に、オンダリビアというところがある。vengavaleは、2年前の夏、その街を訪れた。


その町は、さすがバスクだけあって、言葉が少し方言チックに聞こえる。海が近く、湿気もある。男の人は、ベレー帽をかぶっている。(民族衣装なんだろうな)。


こじんまりした街なので、けっこうくつろげる。ここでは、強盗に襲われる危険性もあまり感じられない。友人達と一緒に、ぺちゃくちゃしゃべりながら、あるレストランを見つけた。窓から覗いてみると、ランチのデザートの下ごしらえをしている。甘〜い匂い。おいしそう。


日本語で「おいしそ〜」「わープリンだ〜」と騒いでいたら、キッチンのおばさんがニコっと笑った。「オラー(こんにちは!)」と挨拶して、立ち去ろうと思ったら、おばさんが追いかけてきた。スペイン語で何やら話し、手にはタオルで包んだものが。


そう、おばさんは、いま出来たばかりのプリンをタオルにつつんで、しかも私達4人分のスプーンも持ってきてくれて、「食べてごらん!」とすすめてくれたのだ!


「グラシアース(ありがと)!」といって、出来立てのあつあつプリンを皆で回しながら食べた。そのおいしかったこと!


すっかり食べ終わって、おばさんにお礼を言いに、レストランに入った。おばさんともう一人の女性が迎えてくれた。お金はいらないよ〜と言ってくれる。とにかく、感激して、写真だけ一緒に撮った。


あとから聞いたら、そこは、街一番のおいしいレストラン。ディナーに予約なしで行ったら、満室で入れないといわれたほどの、大盛況のところ。先日NHKのスペイン語講座でも、偶然このレストランがうつった。レポーターの人も「すごくおいしい!」と絶賛していた。あのプリンおばちゃんは、オーナーシェフらしく、インタビューを受けていた。


もう一度行きたい場所。オンダリビアの思い出が、それを見て甦った。