血塗られたカタルーニャ

flag



おどろおどろしいタイトルですが、今日はカタルーニャの旗の背景にあるお話し。19世紀末から20世紀にバルセロナで流行った「モデルニスモ」と呼ばれる建築の中で、ガウディのほかに有名なのが、モンタネールという人。この人の傑作が、「カタルーニャ音楽堂」です。


豪華絢爛のこの音楽堂は、ロマネスクの雰囲気たぷり。彫刻が豪華に施され、バラの花をイメージした天井、モザイクタイルがふんだんに使われた入り口、ステンドグラス、シャンデリアなど、まるで異世界に来たようです。


でも、ちょっと側面をみると、上のほうに、カタルーニャの旗が掘られています。スペインの他の地方にも、この黄色と赤の旗がありますが、それは横線。これは縦に黄色と赤です。


スペインは今でこそ一つの主権国家として成立していますが、ついこの間までバスク地方でもめていたように、実はみんな違う民族の違う国がくっついただけの国です。バスク人バスク語があり、ここカタルーニャにもカタラン語があり、スペインというのは、マドリッドの方だけを示すのです。


そして、黄色と赤の縦線は、その昔独立戦争をしたとき、もう致命傷を負いながらも、敵に突っ込んで行き、敵の黄色い皮膚を爪で引っかいた兵士がいたことにちなむそうです。そう、黄色は敵の皮膚、赤は爪で引っかいたとき流れた血の色なのです。


民族の誇りを旗にした、ここの人たちの気質が見て取れます。致命傷を負いながらも、最後まで戦う姿は、まるで弁慶か、ヤマトの斉藤一か、というところでしょうか。