窓から下を見下ろせば

グエル



ガウディの設計したお金持ちのパトロングエルさんの家(グエル邸)は、二階の窓に凝った装飾が施されている。当時のお金持ちは、1階に住まず、2階に住んでいて、窓から下を見下ろして珈琲などを飲んでゆっくりのんびりと人間ウォッチングしていたらしい。


だから、ほとんどの建物は、2階より上が凝っている。1階も、バルコニーの下が凝っていたりする。それは、通行人を「すごい装飾だなあ〜」と感動させ、見上げて立ち止まらせるためらしい。


それを上から見下ろした家主が
「へへっ。すごいだろ〜」
とほくそ笑むすんぽうなのだ。


金持ち連中の考えそうな、見栄っ張りな発想だが、ガウディはパトロンのお金を湯水のように使い、ため息が出るほどの装飾をつけた。結局グエルさんは、破産し、生前この家には住めなかったらしいが、奥さんがその意思を継ぎ、完成させたそうだ。


バルセロナに行ったら、建物の2階以上をぜひ注意深く見てほしい。誰かに見下ろされてるかもしれないけど。