マリア様は昇天し、ボンベロスは下降する

bomberos



8月15日はスペインの祝日でした。日本のお盆の最終日でもありますね。この日の祝日は、「聖母被昇天祭」。つまりマリア様が天国へ上っていく日のお祭りなのだ。カソリックでは、イエス・キリストよりも、マリア様信仰。つまり、神の子を産んだ母も、神聖なのだ。


この日、マドリッドのトレド門付近では、なにやら人だかりと、わけがわからないワイヤーが四方に伸びている。消防車も控えている。


「なんだ?なんだ?」と待つこと30分。夜の7時ごろに、まずトレド門の大通りPuerta de Toredoで始まった。馬に乗って、昔の兵隊のような衣装を着る人、フラメンコのような民族衣装を着る人。そして、出ました。マリア様の絵を担いだ山車(といっても簡易おみこしのようなもの)。


これが出発した後、ワイヤーが集まっている舞台の上に、消防士たちが集まってきた。消防士は、スペイン語でボンベロス(複数形)。なんだか、怪獣みたいな名前だ。


「まさか、消防士たちの火の見櫓(ひのみやぐら)?」


と思ったら、まさにそうで、消防士たちが、ワイヤーを伝って横滑りしたり、宙づりになって、パフォーマンス。でも、命綱をつけているので、日本の消防士たちのパフォーマンスには、程遠い。(写真参照)


全員がある程度のパフォーマンスをやって、下におりたら、降るわ降るわ泡のシャワー。そう、あの消防で使う白い泡を、消防車から吹き出したのです。周りのひとは大急ぎで退散。これは余計な演出でした。


しかし、なぜマリア様のお祭りに、ボンベロスのショーがあるのか、は不明。知人のスペイン人も「知らない」、とのこと。そういえば、なぜお正月に、日本では消防士たちのはしごパフォーマンスがあるんだろう?


そして、人々はお祭り会場(遊び場、射的、売店カラオケコンテスト)に移動するのであった。(続く)