折田先生


獣医であり、考古学者でもある、折田G先生が、英語もアラビア語も話せなかった頃、シリアに来たことがあった。言葉ができないから、周りから総スカン。でも、幸運は突然やってきた。


 ある偉い秘密警察のトップ(?)の馬が、お産の難産で苦しんでいたそうだ。でも、誰も助けない。何故って、もし手をだして、失敗して馬を死なせてしまったら、死刑にされるかもしれない、という恐れがあったからだ。


 そんな時、折田先生は、いきなり服をぬぎはじめ、ふんどし一丁になった。回りはもうびっくり。アラビア人は、男であっても、人前で肌をさらすことはしないからだ。ふんどし一丁の日本男児折田先生は、苦しむ馬のお腹に手を入れ、血まみれになりながら、子馬をひっぱりだした。その様子に、周りはまた唖然。無事、子馬も産まれ、母体も大事にいたらなかった。それを聞いて、持ち主の隊長様は、大喜び。さっそく、この折田先生をかわいがり、軍隊、政府、ありとあらゆるところへお達しをして、折田先生は、どこへ行っても顔パスになったそうだ。


 バカにしていた人たちも、この一件で、言葉のできない東洋の男を尊敬しはじめた。それなりの稼ぎもでき、これでうまくいくと思っていた矢先、突然なぜか、シリア政府から、あなたはもういいです、と冷たい宣告を受けたそうだ。


 それが何故なのかは、ツユさんにもわからない。でも、折田先生の波乱の人生談はまだまだ続く。


[vengavale 今日のいちおし] (TVアニメ) 「花田少年史
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幽霊が見える花田少年。いろいろ頼りにされて、困っちゃう。映画「シックス・センス」と似たような能力をもつのに、なんだか笑えるのがこれ。