つゆのひと声

 ベドウィンの神様

折田先生の逸話は、まだある。あの、秘密警察の親玉のような人の馬の出産を助けて以来、折田先生は、シリアでは誰もが一目置く人となった。でも、完全に自由に活動できるわけではない。F財団からの仕事以外、受けてはいけないという制限があった。もし他の…

 折田先生

獣医であり、考古学者でもある、折田G先生が、英語もアラビア語も話せなかった頃、シリアに来たことがあった。言葉ができないから、周りから総スカン。でも、幸運は突然やってきた。 ある偉い秘密警察のトップ(?)の馬が、お産の難産で苦しんでいたそうだ…

 金釘流

外国にいて、日本語に目覚めることがある。それは、慣れない環境が異化作用して、普段当たり前に感じて不可視になっているものが、可視化する、意識化するという現象だ。失くしてみて、初めてそのモノの価値に気付くっていうのも、ソレに似ている。 今回は、…

 ゼブラボールペンの名付け親

ゼブラポールペン。http://www.zebra.co.jp/indexf.html でも、なんで「ゼブラ」(しまうま)なんだろう? そもそもボールペンは、名前の通り、ball-pointつまり、ペン先のボールがうまく機能しないと、書き味が悪い。世界レベルだと、日本のボールペンほど…

 特高

話にはきいたことがある。でも、実際その時代に生きていた人の実体験は、説得力が違う。 特高。大正から昭和初期の、特別高等警察。当時、外国の文学の翻訳「翻訳モノ」は、読むのを禁止されていた。でも、人々は裏でそっと回し読みをしていたらしい。特に人…

 螺鈿

螺鈿というのをご存知だろうか?そもそも、漢字で書かれたら、読めない!これは「らでん」と読むらしい。しかし、「らでん」と言われても、ピンとこない。 螺鈿というのは、貝殻を木に埋め込んで仕上げる、家具や小物のことらしい。昔は、漆を上からキレイに…

 戦前の日本 一銭もある

昨日の「占領下の日本」につづき、今日も彼女のコレクションから一品。 「そんな金、一銭もない」 なんて、修飾される、「一銭」。vengavaleはいままで、言葉上では知っていても、実物を見たことがなかった。それが、外国で見られるなんて、思ってもみなかっ…